昨日、友人が当地の情報誌で紹介していたピント美術館に行ってきた。
今迄、当地の美術館には数々足を運んでみたが、そう感動するものはなかった。新しくなったアヤラ美術館には複数回訪れた程度。
でも、このピント美術館は全くちがっていた。
緑に囲まれた高台に位置し、遠くにマニラの町並みが望める。白壁造りの建物が、美しい庭園に溶けこんでいる。風通しがよく、明るい。温度や湿度が管理された美術館からは程遠い。雨が吹き込まないのかと心配になる位、窓が大きかったりする。
フィリピン人による現代絵画のみを展示。共感を覚えたり、爽やかな気分になったりする作品はほとんどなく、発展途上国、キリスト教国、極端な貧富の差、汚職など、問題を数多く抱える国ゆえの苦悩を描いているのか、ややドロドロした作品が多い。かといって、稚拙というのではなくて、長年に渡ってフィリピン芸術を支えてきた創設者の目にかなった作品と頷ける作品が多かった。
「作品を堪能し、建物や庭園の美しさを味わい、カフェで昼食も楽しんだ。」とはいかなかった。カフェはこちらでは有名なBizúが入っていたので、ちょっと期待したが、混んでいたせいもあり、サービスが滞り、頼めないメニューも多々あった。仕方なく頼んだパスタは甘みがきつく、それを打ち消すために頼んだチリソースは結局持ってきてもらえなかった。カフェは改善の余地あり。
このあと、近くの陶芸の店も兼ねているHalf Moon Cafeに立ち寄ったが、陶芸にはちょっとがっかり。
芸術的陶器ではなく、商業的なものだった。同じ形のものが並び、重く、デザインもごく普通。キロ単位で売っているところで、夫が底に穴が空いている石鹸受けを買って早々に引き上げた。
そばまで来ているからと、滝のある国立公園も行ってみた。
滝は遠めからは美しいのだけれど、近寄ったら生活用水の流れる川ゆえの臭いと汚れが目立つ。滝壺を過ぎたあたりは白い泡が溜まっている。あぶくではなく、洗剤等の化学物質から出るあぶく。飛沫がかかったら嫌だし、臭いしで、こちらも早々に退散。
三ヶ所訪れ、一つが素晴らしかった!というのは、当地での外出では充実していたほうかも、と言いながら、帰途についた。
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