2014年3月14日金曜日

読書力

大げさなタイトルをつけてしまったが、要するに私の国語力が落ちてることを自覚してしまったということ。

著作権の切れた名作が無料でダウンロードできるようになって久しい。昨年何かと話題になった小説の「風立ちぬ」も、iPadで読んだ。そして今、夏目漱石の草枕を読んでいる。

中学の頃、いわゆる名作の日本の小説やヨーロッパの小説を読みまくった。島崎藤村、志賀直哉、太宰治、森鴎外、ヘルマン・ヘッセ、ゲーテ等々、あっ、「源氏物語」や「方丈記」、「枕草子」、「更級日記」等も読んだ。その中で、なぜか夏目漱石だけは抜け落ちてしまった。唯一読んだのは「それから」。姉が大学の授業で読んだのをもらって読んだように覚えている。

昨年ぐらいから姜尚中氏のPodcastを聞いていたりして、姜尚中氏が夏目漱石について触れることが多く、漱石に対する興味が出てきて、今読むようになった。

ところが最初にダウンロードした「三四郎」は遅々としていて進まず、断念。ストーリーの展開が遅いせいか、それとも内容に共感を得られないからなのか、わからないけれど、途中から読む気が無くなってしまってうっちゃってある。余談だけれど、EBookのいいところは読み出そうと思った時にすぐアクセスできること。何処かにうっちゃっておいた本を探し回らなくて済む。誇りをかぶることもない。

でも、「草枕」は面白い。旅行好きだからか、最初から引き込まれてる。ところが、問題が発生。描写が100%理解できない。言葉が難しすぎる。英語の本ですら辞書引き引き読むというマメさのない私が、日本語の辞典を引くなんてあり得ない。だから、「草枕」に惹かれているのに、文章の意味がはっきりわからないという悲しい状況に陥ってる。感性でカバーできる問題ではないと思うから、若い頃ならもっと理解できたのかはわからないけど。

小説を読むことが好きだから、もちろん今でも読書はする。でも、昨今の流行りの小説はやはり言葉が簡単になっている。昔は話し言葉の語彙と書き言葉のそれは多少違ったようだけれど、現代の小説は同じになり、文章も平易で読みやすいものになっている。それがいけないことだとは思わないし、感情移入もしやすいので、楽しめる。でも、そういった小説だけを読んでいると、国語力/読書力が退化してくるように思う。やはり、時には古典等に触れ、自分の国語力の維持・育成に務めなければならない。辞書も引かなければ。

せっかくEBookで著作権切れの名作がこうして海外に居住していても簡単に入手できるのだから、利用しない手はないし。

ただ、読書にかける時間が少なくなってきている今、どこまでそれを利用できるかだけれど。

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